−日記帳(N0.2143)2019年11月01日−
ボイジャー2号の偉業について
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−日記帳(N0.2144) 2019年11月02日−
ボイジャー1号の現在


ボイジャー2号

ボイジャー1号


ボイジャー2号は、NASAが1977年8月20日 太陽系の外惑星系を探査のため打ち上げた無人宇宙探査機で、
ボイジャー計画の一環として、姉妹機ボイジャー1号の16日前に打ち上げられました。
木星、土星さらにその先の天王星と海王星の接近に成功し、巨大氷惑星を訪れた唯一の探査機で木星・
土星・天王星・海王星の「グランドツアー」を初めて実現した探査機にもなりました。

その主な任務は、1979年に木星、1981年に土星、1986年に天王星を訪問した後の1989年10月2日の
海王星探査に伴って終了した。ボイジャー2号は現在、 42年2か月と16日間稼働し続けており、
ディープスペースネットワークを通じて通信を行っております。 

ボイジャー2号は2018年末時点で、太陽からの距離は178億 kmで、太陽に対して55,347km/hの速度で
移動しており太陽系を脱出する5つの探査機のうち、4番目に太陽系の脱出速度を達成した探査機です。
2018年12月、ボイジャー2号が2018年11月5日に太陽圏を離脱して恒星間空間に達したと公式に発表
されました。現在ボイジャーは時速4万8000キロメートル以上で飛行しており、地球との通信には1号
なら20時間以上、2号は17時間近くかかります。

以下の記事は11月5日付けの「Yahooニュース」から転載させて頂きました。 
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【AFP=時事】米航空宇宙局(NASA)の探査機ボイジャー2号(Voyager 2)が、太陽系を包む泡構造
「太陽圏」を離脱した際の観測データを解析した5件の論文が4日、英科学誌ネイチャー・アストロノ
ミー(Nature Astronomy)に発表された。ボイジャー2号は1977年8月20日に打ち上げられ、今も太陽圏
を越えた領域からのデータを地球に送り続けている。

科学者らはボイジャー2号と双子の探査機ボイジャー1号(Voyager 1)から送られてくる観測データを
比較すことで、数々の疑問に答えが出ると期待していた。だが、ボイジャー2号が太陽風や磁場、太陽の
影響範囲である太陽圏と星間空間との境界を飛び交う宇宙線などに関する謎を解決するごとに、
また新たな謎が出てくるという。

太陽圏は太陽系を包む荷電粒子の泡で、宇宙線に対する保護膜のような役割を果たしている。
激しい風にさらされた吹き流しのような形状をしており、太陽磁場と、太陽から放出される電離した
プラズマ粒子の太陽風で形成されている。この太陽風は時速300万キロの速度に達することもある。

ボイジャー2号は今回、理論で予測され、ボイジャー1号によって観測されていた太陽圏外縁部の
「磁気バリア」の存在を確認した。この磁気バリアは、「ヘリオポーズ(太陽圏界面)」と呼ばれ、
太陽風の荷電粒子と恒星間風(星間物質の流れ)が衝突する、比較的薄い接触境界領域となっている。

さらに、粒子の漏出という謎も出てきた。

ボイジャー1号が太陽圏の境界を通過した時は、反対方向に高速で進んでいる太陽系外空間からの粒子、
特に宇宙線が検出された。だが、「ボイジャー2号の場合は、真逆だった」と、論文執筆者の一人で
米カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)のエドワード・ストーン
(Edward Stone)教授は指摘する。
「太陽圏を離れると、内部から外へ漏出している粒子が観測され続けた」

この漏出の謎について、荷電粒子の測定に関する今回の論文の執筆者であるジョンズ・ホプキンス大学
応用物理学研究所(APL)のトム・クリミギス(Tom Krimigis)氏は、11年周期で増減を繰り返す太陽
活動との関連を示唆している。
打ち上げから42年を過ぎたボイジャー1号と2号は5年以内に電力が尽き、データの送信が途絶える見通しだ。
【翻訳編集】 AFPBB News
                     

ボイジャー1号は1977年9月5日に打ち上げられ、現在も運用されている地球から最も遠い距離に到達
した人工物で、最初の目標は木星と土星及びそれらに付随する衛星と環でした。
2004年12太陽系外に向かって飛行中、太陽から約140億km(約95AU)の距離で、太陽風の速度がそれま
の時速112万kmから16万km以下に極端に落ちた。

また太陽系外の星間物質(ガス)が検知されたことから、末端衝撃波面を通過して太陽圏と星間空間の
間の衝撃波領域であるヘリオシースに入ったことが判明し、研究者が星間物質の状態を直接観測した
データを初めて地球におくってきました。
2012年6月、NASAによって、ボイジャー1号が太陽系の境界付近に到達したことが公表された。
8月25日頃には太陽圏を脱出し、星間空間の航入っていることが発表された。 

2013年9月6日時点で、太陽から約187.52億kmの距離を秒速17,037m(時速61,333km)で飛行中
この時点の距離では、探査機からの信号がジェット推進研究所の管制センターに届くまでに
光速で片道17時間21分56秒[3]かかる。ボイジャー1号は太陽に対して双曲線軌道に乗り、
太陽の脱出速度に達している[注 1]。ボイジャー1号はパイオニア10号や11号(共に運用終了)
、姉妹機であるボイジャー2号とともに星間探査機へと役割を変えている。 

2機のボイジャー探査機ではそれぞれ3個の原子力電池が電力を供給している。この発電装置
当初想定されていた寿命を大幅に超えて2019年現在も稼動している。1977年当時470Wを供給
していた原子力電池の電力供給能力は、2008年の時点で285Wに落ちている。節電のため一部の
観測装置の電源を順次切ってゆくことで、2025年頃までは地球との通信を維持するのに十分な
電力を供給できると期待されている。 

以下の順番で順次観測装置の電源を切っている。 
2007年 - プラズマサブシステム (PLS) とそのヒーター
2008年 - Planetary Radio Astronomy (PRA) 装置
2010年 - スキャンプラットフォームと紫外線観測装置
2015年 - データテープレコーダー
2016年 - ジャイロスコープ

2017年11月下旬には軌道制御用の噴射エンジン4基を37年ぶりに作動させることに成功している
2020年の時点で以下の装置が動いている予定。今後これらの電源をどの順番で切るかは未定。 

ボイジャー1号は元々はマリナー計画のマリナー11号として計画された。この探査機は当初
ら、計画当時の新技術だった重力アシスト(スイングバイ)を利用するものとして設計され
幸運にも一連の惑星間探査機の開発時期が、惑星の配置がほぼ同じ方向に集中する時期と
なったため、惑星グランドツアー(en:Planetary Grand Tour)と呼ばれる外部惑星の連続探
が構想されることとなった。

このグランドツアーは、重力アシストによる飛行コースを連続
てつなげることによって、軌道修正に必要な最低限の燃料だけで単独の探査機が太陽系の
巨大ガス惑星4個(木星、土星、天王星、海王星)に加え、当時の構想では冥王星をも訪れる
ことができる、というものであった。同型機のボイジャー1号及び2号はこの構想を念頭に置いて
設計され、打上げ日もグランドツアーが可能な時期に設定された。 

ボイジャー1号は1977年9月5日、NASAによってケープカナベラル空軍基地のLC41発射台から
タイタンIIIEセントールロケットで打ち上げられた。この打上げにわずかに先行して姉妹機
のボイジャー2号も打ち上げられていた。ボイジャー1号は2号より後に打ち上げられた
2号よりも飛行時間の短い軌道に乗せられたために先に木星と土星に到達した。この高速な
軌道は誘導次第で冥王星へも到達できる軌道だったと言われているが、後述のように
最終的にはボイジャーによる冥王星探査は行われなかった。 

打上げ当初、タイタンIIIEロケットの第2段が約1秒分の燃料を残して予定よりも早く燃焼終了
してしまった。このため地上クルーはボイジャー1号が木星に到達できないのではないか
心配したが、上段のセントールステージが十分な燃料を持っていたために加速の不足分を
補うことができた。 


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