ボイジャー1号は1977年9月5日に打ち上げられ、現在も運用されている地球から最も遠い距離に到達
した人工物で、最初の目標は木星と土星及びそれらに付随する衛星と環でした。
2004年12太陽系外に向かって飛行中、太陽から約140億km(約95AU)の距離で、太陽風の速度がそれま
の時速112万kmから16万km以下に極端に落ちた。
また太陽系外の星間物質(ガス)が検知されたことから、末端衝撃波面を通過して太陽圏と星間空間の
間の衝撃波領域であるヘリオシースに入ったことが判明し、研究者が星間物質の状態を直接観測した
データを初めて地球におくってきました。
2012年6月、NASAによって、ボイジャー1号が太陽系の境界付近に到達したことが公表された。
8月25日頃には太陽圏を脱出し、星間空間の航入っていることが発表された。
2013年9月6日時点で、太陽から約187.52億kmの距離を秒速17,037m(時速61,333km)で飛行中
この時点の距離では、探査機からの信号がジェット推進研究所の管制センターに届くまでに
光速で片道17時間21分56秒[3]かかる。ボイジャー1号は太陽に対して双曲線軌道に乗り、
太陽の脱出速度に達している[注 1]。ボイジャー1号はパイオニア10号や11号(共に運用終了)
、姉妹機であるボイジャー2号とともに星間探査機へと役割を変えている。
2機のボイジャー探査機ではそれぞれ3個の原子力電池が電力を供給している。この発電装置
当初想定されていた寿命を大幅に超えて2019年現在も稼動している。1977年当時470Wを供給
していた原子力電池の電力供給能力は、2008年の時点で285Wに落ちている。節電のため一部の
観測装置の電源を順次切ってゆくことで、2025年頃までは地球との通信を維持するのに十分な
電力を供給できると期待されている。
以下の順番で順次観測装置の電源を切っている。
2007年 - プラズマサブシステム (PLS) とそのヒーター
2008年 - Planetary Radio Astronomy (PRA) 装置
2010年 - スキャンプラットフォームと紫外線観測装置
2015年 - データテープレコーダー
2016年 - ジャイロスコープ
2017年11月下旬には軌道制御用の噴射エンジン4基を37年ぶりに作動させることに成功している
2020年の時点で以下の装置が動いている予定。今後これらの電源をどの順番で切るかは未定。
ボイジャー1号は元々はマリナー計画のマリナー11号として計画された。この探査機は当初
ら、計画当時の新技術だった重力アシスト(スイングバイ)を利用するものとして設計され
幸運にも一連の惑星間探査機の開発時期が、惑星の配置がほぼ同じ方向に集中する時期と
なったため、惑星グランドツアー(en:Planetary Grand Tour)と呼ばれる外部惑星の連続探
が構想されることとなった。
このグランドツアーは、重力アシストによる飛行コースを連続
てつなげることによって、軌道修正に必要な最低限の燃料だけで単独の探査機が太陽系の
巨大ガス惑星4個(木星、土星、天王星、海王星)に加え、当時の構想では冥王星をも訪れる
ことができる、というものであった。同型機のボイジャー1号及び2号はこの構想を念頭に置いて
設計され、打上げ日もグランドツアーが可能な時期に設定された。
ボイジャー1号は1977年9月5日、NASAによってケープカナベラル空軍基地のLC41発射台から
タイタンIIIEセントールロケットで打ち上げられた。この打上げにわずかに先行して姉妹機
のボイジャー2号も打ち上げられていた。ボイジャー1号は2号より後に打ち上げられた
2号よりも飛行時間の短い軌道に乗せられたために先に木星と土星に到達した。この高速な
軌道は誘導次第で冥王星へも到達できる軌道だったと言われているが、後述のように
最終的にはボイジャーによる冥王星探査は行われなかった。
打上げ当初、タイタンIIIEロケットの第2段が約1秒分の燃料を残して予定よりも早く燃焼終了
してしまった。このため地上クルーはボイジャー1号が木星に到達できないのではないか
心配したが、上段のセントールステージが十分な燃料を持っていたために加速の不足分を
補うことができた。
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