−日記帳(N0.2107)2019年06月8日−
川崎で幼児と保護者の一人が凶漢に刃物で襲われ死亡
−日記帳(N0.2108) 2019年06月16日−
大阪府吹田市の交番で拳銃強奪事件発生


事件の状況を伝える新聞記事

飯森裕次郎容疑者が隠れていたと思われる場所

この事件は、11日前の5月28日に発生してますが、パソコン修理中で当サイトを編集出来ませんでした。
しかし、事件の社会に及ぼす影響が極めて大きい事から改めてここで取り上げさせて頂きます。
このような事件を二度と起こしてはならないとの思いが強かったからです。

思えば、丁度18年前の今日、6月8日、大阪教育大学附属池田小学校に凶器を持った宅間守(当時37歳)が
侵入し、次々と同校の児童を襲撃し、児童8名(1年生1名、2年生7名)が殺害され、児童13名・教諭2名
が傷害を負う悲惨な事件が起こっております。

犯人の宅間守(当時37歳)は、校長や別の教諭にその場で取り押さえられ、現行犯逮捕されましたが最後
の一人を刺し終えた瞬間、凶器の出刃包丁を落として「あーしんど!」と呟いたと言われております。
その後、宅間守は殺人罪などで起訴され、死刑の判決を受けて2004年9月15日、死刑が執行されました。

この事件が思い起こされるような悲惨な殺傷事件が神奈川県川崎市で起こりました。
池田小と同様、川崎市内に在る私立カリタス小学校のスクールバスを待っていた小学生の児童や保護者
らが近づいてきた男性に相次いで刺される事件が起こりました。

加害者の岩崎隆一容疑者(51)は、終始無言のまま待機列の後方から駆け足で襲撃、保護者の男性を背後
から刺した後、約50mを無言で走って移動しながら保護者の女性と児童17人(後に死亡を確認された女児
1人を含む)を立て続けに襲撃し,スクールバスの運転手から「何をやっているんだ」と叫ばれた後 、
さらに数十メートル移動して自ら首を切って自殺に及び、後に病院で死亡が確認されました。

保護者の男性が小山智史さん、死亡が確認された女児が栗林華子さんです。
川崎市消防局は28日午前7時44分、事件について警察から連絡を受け、7時54分に多摩消防署の指揮隊が
着き、7時56分に初の「大規模救急出動」(10人以上の負傷者に対応する出動)の指令をしました。
災害派遣医療チーム (DMAT) がトリアージを行い、大人と子供の計2人が黒、4人が赤の判定されました。

マリアンナ医科大学病院に加害者と被害者2人、日本医科大学武蔵小杉病院に被害者4人、川崎市立多摩
病院と新百合ヶ丘総合病院に被害者各5人が搬送されました。
このうち日本医科大学武蔵小杉病院に搬送された小山智史さんと栗林華子の死亡が確認されました。
死因は、小山智史さんが出血性ショック、栗林華子さんは失血でした。

小山智史さんは外務省の職員でミャンマー大使館での勤務経験があったほか、ミャンマーのテイン・
セイン大統領を招いた宮中茶会等において、上皇(当時天皇)夫妻のミャンマー語通訳を4回務めました。

事件後、河野外相は彼について「ミャンマー語のスペシャリストで、大変優秀な若手だった。本当に
残念なことで、ご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご家族にお悔やみを申し上げたい」とコメント
したほか、岸田文雄前外相も「外相時代に支えていただいた。痛恨の極みで、心からお悔やみを申し
上げる」と述べました。

さらに上皇両陛下も29日に河相周夫上皇侍従長を通じて、秋葉剛男外務事務次官に対し、外務省職員
の妻への弔意を伝えたことが30日に宮内庁から発表されました。
ミャンマー国家最高顧問府大臣のチョウ・ティン・スエは、2019年5月31日に日本の外務省で河野外相
と会談し「日本とミャンマーは非常に近しい友好国。
(外務省職員)が亡くなられたことに心よりお悔やみ申し上げます」と述べました。

加害者の岩崎隆一容疑者が「ひきこもり」状態に在ったことが判明しております。
所謂、8050問題の状態に在ったことも判明しております。
8050問題とは、「80」代の親が「50」代の子どもの生活を支えるという問題です。

この事件により、「ひきこもり」による殺傷事件が全国的に多発しているようです。
元農水事務次官の熊澤英昭容疑者(76歳)は息子の熊澤英一郎さん(44歳)がひきこもり状態に在ったこと
から、このまま放置したら、岩崎隆一容疑者のように人を殺傷しかねないと思い込み、英一郎さんの胸
などを包丁で複数回刺し、殺害した疑いで3日に送検されました。

その後の捜査関係者への取材で、熊沢容疑者が「先月、川崎市登戸で起きた事件と同じようにならない
ように考えた」という趣旨の供述をしていることが分かりました。2人は事件前、近くの小学校で行わ
れていた運動会の音を巡って口論になっていたとみられ、取り調べに対して熊沢容疑者は「身の危険を
感じた」などと容疑を認めているということです。
                     

昨日、16日午前5時半頃、大阪府吹田市の千里山交番前の路上で、古瀬鈴之佑巡査(26)が左胸に包丁が刺
さった状態で倒れているのを、近くの駅の駅員が発見しました。
古瀬巡査は刃物を使った切りつけなどに備えるための防刃ベストを身につけていましたが、最新型で
なかったため防御出来ませんでした。

防刃ベストは、米国の化学会社デュポン社の商標登録「ケブラー」で知られる芳香族ポリアミド系樹脂
(ポリパラフェニレン テレフタルアミド)から成る合成繊維で作られております。
高分子化学の授業で担当教授がその複雑な分子構造式を黒板にスラスラと描いたことを思い出しました。

「ケブラー」は、日本では東レが「アラミド」の商標登録で製造しており、その引っ張り強度は鉄の5倍
と強靱のため、防刃用として用いられた場合、カッターナイフで切りつけても刃先が皮膚まで達すること
はまず有り得ません。

従って、古瀬巡査の防刃ベストをナイフで切りつけても効果ありません。
後に犯行に及んだことが後に確認された飯森裕次郎容疑者(33)は、その事実を知っていたのか、刃渡り19cm
の包丁でベストが及ばない部位7箇所に突き刺し、中でも左胸の傷は肺を貫通して心臓にまで達するほど
の重傷で命が危ぶまれました.。

幸い、救急搬送先の大阪大学医学部附属病院高度救命救急センターでの懸命な治療によって事なきを得ましが
、左胸を摘出されており、今後の生活に支障来すこととなり残念です。
飯森裕次郎容疑者は東京都品川区に在住しており、平成26年11月「ゲームをやめたら心臓から声が聞こえる」
などと警視庁品川署を1人で訪問。「ドラゴンクエストのゲームをやめたら心臓から声が聞こえて困っている
と訴え、対応した警察官が病院で診察を受けることを勧めると、おとなしく帰宅したとのことでした。

彼は2級の精神障害者保健福祉手帳を所有していることから、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活
に著しい制限を加えることを必要とされておりました。
今回の犯行で、古瀬巡査を交番で一人の状態にさせるために偽の情報を通話したり、防刃ベストをかいくぐって
傷を加えるなどの知恵を持つ反面、山のベンチの下に拳銃を置いて仮眠して逮捕されるなど稚拙な行動をとって
いたのも、精神障害によるものと推察されます。

彼は、拳銃を奪取することを目的で今回の犯行を計画し、かってこの付近に住んでいた経験も有ることから
この地を選んだものと思われます。一方、大阪府警は当日G20の国際会議が大阪で開催されていることもあり
、当初から一斉公開に踏み切るなどして事件解決に総力をかけて取り組みました。

容疑者が映る防犯カメラの映像をリレー方式で検索して容疑者の足取りを解析して容疑者の居場所を特定し
上述の逮捕に成功したわけです。
大阪大学での治療とともに大阪府警の捜査に賛辞を送りたいと思います。

古瀬巡査は、高校ラグビーの全国大会常連として知られる佐賀工業出身で、高校時代、がっしりした体格で、
100メートル11秒台の俊足ウィングとして活躍しておりました。
同じ佐賀工業出身での日本代表の五郎丸選手は、先輩の古瀬巡査を激励しておりました。

五郎丸選手

前 頁 へ 目 次 へ 次 頁 へ