−日記帳(N0.2035)2018年11月01日−
日本GPSを目指す測位衛星「みちびき」の本格運用開始
−日記帳(N0.2036) 2018年11月03日−
帰国した安田純平氏の行動に賛否両論飛び交う


2017年10月10日 種子島宇宙センターから打ち上げられる準天頂衛星みちびき4号

解放され帰国後記者会見する安田純平氏


米国が軍事用に運用中の31基のGPS(Global Positioning System)衛星のうち数個の衛星からの信号を捉えることで、 自分や探したい人の位置情報をスマホの画面で知ることができます。まさに米国の軍事用途の恩恵を受けているわけですが、 世界情勢如何でこの恩恵を受けられなくなる恐れは当然有り得ます。そこで各国は独自にGPSを打ち上げて位置情報 システムを構築することを国策とするようになりました。

そこで日本は、2011年(平成23年)4月からは国土地理院は全地球航法衛星システムGNSS の構築を図り、現在のGPSはそのうちの一つと位置付け、日本独自の航法衛星である日本版GPSとして準天頂衛星「みちびき を導入することになり、2010年9月11日に準天頂衛星「みちびき1号機(QZS-1)」が打ち上げられました。 2017年に3機が追加で打ち上げられて2018年に4機体制でシステムが運用開始されることになり、今日に至りました。

GPSでは最大10mの誤差が数mに抑えられ、専用の受信機を使えば誤差6cm以内という世界最高の高精度な測位が可能なため、 自動運転や無人の農機具の開発など様々な利用方法が検討されております。 「みちびき」は4基体制で地球上空を回り日本の真上を通るため高層ビルや山で位置情報の信号が遮られず 、24時間、安定して高精度の位置情報が受け取られます。

最近のスマートフォンやカーナビなどは、これに対応して誤差が数mに抑えられつつありますが、 6cm以内の位置情報を取得するための受信機は100万円以上と高価で大型であることからコストダウンと小型化 が今後の課題。さらに2020年に初号機の後継1機と2023年に衛星3機を追加して7機体制で運用することが閣議決定されました。

みちびき1号機

内戦下のシリアで2015年6月に拘束され、約3年4カ月ぶりに解放されたフリージャーナリストの安田純平さん(44 )が11月2日、日本記者クラブでの記者会見しました。武装勢力による拘束後、解放の動きがあった場面で 「今から帰すから」と連絡が来て車に乗せられたと述べました。

シリアは、外務省の危険情報で危険レベル最大のレベル4の退避勧告に指定されているので、安田純平さんの シリア渡航は自己責任となります。一方で、日本政府には自国民を保護する責任も負っております。 従って、彼が如何なる危険を犯しても法に触れない限り、彼は日本政府の保護下に在ることから、最後には 「助けて下さい」と日本政府に助けを求めることになりました。

今回、安田純平さんの救出に当たって日本政府がお金を支払ったとの公表はされておりませんが、当事者・団体や トルコ等関係諸国の協力を得たことは事実で、何らかの代償を払った可能性は有り得ます。実際、国境付近から トルコのハタイ県アンタキヤという土地まで運ばれ、そこの入管施設の100m手前になって目隠しを外され開放 されております。

安田純平さんがフリージャーナリストとして、情報が得難い地域に情報収集に出向くことは有益な 行動ですが、自己責任論を主張しても結果として今回のように自国や関係国に救済を求めざるを得ない 結果に終るなら、今後はこのような国益に反する行動は慎むべきで、発言も謙虚に謝罪と感謝の文言に 留め、余計なことは言うべきではなかった思います。 また、

トルコのハタイ県アンタキヤ

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