−日記帳(N0.2051)2018年06月19日−
日本 2018W杯初戦でコロンビアを破り前回の雪辱を果たす
−日記帳(N0.2052) 2018年06月20日−
「はやぶさ2」から小惑星「りゅうぐう」の写真が送られてきた


コロンビア戦先発の日本代表イレブン

小惑星探査機「はやぶさ2」

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私が母校藤枝東高に在学していた頃は、サッカーはマイナー競技で、サッカー部を持つ高校は限られておりました。 大正13年創立時の初代校長・錦織兵三郎氏がサッカーを「比較的短時間で勝敗が決まる上、精神修養によく、 かつ日本では未開発競技で将来性が有る」と評価して校技に指定したことから生徒は全員サッカーシューズを持つことを 義務付けておりました。

体育の時間は全員、二手に分かれてサッカー競技に参加することで単位が与えられました。 但し、ボールを追って走る動作もせずに立ち止まっているところを当時の体育主任でサッカー部監督だった小宮山先生に 見つかると単位を剥奪される恐れが有るため気は抜けませんでした。

チーム内にはサッカー部員が数人おりますので殆どの時間帯、彼等がボールを支配し審判がいないのでオフサイドフリー状態となり滅茶苦茶な 得点争いになったように記憶しております。この時のサッカー部員の中から後に大学や団体で選手として名を遂げ者も居りました。

先輩には、「ベルリンの奇跡」を演じた松永三兄弟がおります。 1936年8月4日、ベルリンでサッカー国際大会が開かれ日本はこれに初参加し当時欧州の強豪スウェーデンと対戦し、三兄弟の長男の(故)松永行選手 が参加、逆転ゴールを決めて「ベルリンの奇跡」の主役を演じました。私は、後に三兄弟の三男の(故)松永信夫さんと会食した時、「ベルリンの奇跡」 のお話をして頂いたことを懐かしく思い出します。尚、松永行選手はガナルカナルでで戦死されました。

また後輩には、W杯で日本人初ゴールを決めた中山雅史氏や、今回のコロンビア戦に主将として参加した長谷部誠氏などがおります。 そのコロンビア戦が今夜、ロシア連邦のモルドバ共和国の首都サランスク市内のモルドヴィアアリーナで行われました。

コロンビア戦の試合会場となったモルドヴィアアリーナ

日本の先発は下図に示すとおり。

日本の先発メンバー

前半3分 大迫がDサンチェスと入れ替わり、抜け出してオスピナとの1対となり、左足で放ったシュートは防がれてしまうが、 こぼれ球に反応した香川がダイレクトでシュートすると、サンチェスが手を出してボールを止め、ハンドレッドカードを宣告され 一発退場となり、日本にPKが与えられました。

かつて1994年の米国W杯でコロンビア代表のDFアンドレス・エスコバル氏が第2戦の米国戦でオウンゴールを献上。 それが早期敗退の要因とされ、エスコバル氏は母国に帰国した後、メデシン郊外のバーで射殺されるという悲劇に遭いました。 その原因が早期敗退したことによる報復なのか、明確な因果関係はいまだ明らかではありません。

しかし現在、サンチェス氏は暗殺を仄めかすメッセージが公表されるなど身の危険に晒されているように思えます。 現在はロシア当局、帰国後はコロンビア当局がサンチェス氏の身の安全を確保されるよう願って病みません。

サンチェス選手

ハンドの反則を犯すサンチェス選手

PKのキックを指名された香川選手がGKオスピナの動きを冷静に見極め、逆を突いてグラウンダーのシュートを流し込むんでゴールを決めて先制。 前半8分 右サイドの敵陣中央でフアンクアドラードがボールを受け、ペナルティエリア右にスルーパスを出す。駆け上がったアリアスが収めるも、 オフサイドの判定で日本失点を免れる。

前半12分 コロンビアは 敵陣中央の右からのFKを得て、キッカーのキンテーロがペナルティエリア内へ浮き球を供給する。 フリーのファルカオが左足を伸ばして合わせるも、川島の正面に飛びゴール成らず。 前半20分 キンテーロがキックフェイントで昌子を揺さぶり、ペナルティエリア手前の右から縦にパスを出す。 受けたアリアスは2タッチ目でクロスを送るも、対じした長谷部のブロックに遭ってゴール成らず。

前半27分 長谷部が左サイドへ展開し、乾が受けて右足で柔らかいクロスを送る。原口がゴール前に飛び込んでいたが、 オスピナに直接キャッチされてゴール成らず。 前半32分 大迫がDサンチェスへのバックパスを鋭い出足でカットし、そのままペナルティエリア左に進入。 右足でシュートを放つが、アウトカーブが掛かったシュートは枠を捉えられない。

前半36分 モヒカからパスを受けたファルカオが吉田の厳しいタックルを受けて倒れる。主審の笛が鳴り 、左サイドの敵陣中央からのFKを獲得する。ボールをセットしたのはキンテーロ。ファーサイドへ高い弾道のクロスを上げるも、 吉田がヘディングでクリア。

前半37分 長友のクリアが高く舞い上がると、ファルカオが長谷部と接触して倒れ、ペナルティエリア手前の右からのFKを獲得する ボールをセットしたのはキンテーロ。キンテーロは左足で壁の下を抜けるグラウンダーのシュートを放つ。 川島がかき出す前にゴールラインを越え、ゴールインの判定で同点に追い付く。 前半47分 前半終了。1−1の同点で試合を折り返す 。

前半総括:
開始早々に試合は大きく動く。シュートを手で止めたカルロス・サンチェスが一発退場となり、 これで得たPKを香川真司が冷静に決めて日本が先制に成功する。その後はオープンな展開となるが、 コロンビアが数的不利を感じさせない息をつかせぬ攻撃を繰り出してきたこともあってリズムを掌握できず。 すると、前半39分にフアン・キンテーロに直接FKを決められて同点に。4年前と同じ1−1というスコアで前半を終えた。

後半12分 大迫が後方からパスを受け、反転してペナルティエリア左へスルーパスを供給。乾がワンタッチで角度を作り、 右足でカーブを掛けたシュートを放つ。枠をとらえていたが、オスピナに横っ跳びでセーブされてしまう 。 後半16分 左サイドの乾からパスを受けた柴崎が敵陣中央からペナルティエリア右へふわりと浮かせたパスを送る。 酒井宏が2タッチでシュートまで持っていくが、枠をとらえられない。

後半20分 長谷部が左サイドの敵陣中央へパスを出し、乾が受けてドリブルを開始。 しなやかなボールタッチでペナルティエリア左に進入して右足でシュートを放つが、 コースに入ったDサンチェスに頭でクリアされてしまう。

後半25分 10香川OUT→4本田IN。 後半28分 テンポよくパスを回してチャンスを作る。酒井宏がペナルティエリア右からクロスを上げると、 大迫がDFを背負いながら後ろに落とす。酒井宏が右足でシュートを放つもDFに当たってわずかにゴール左に外れてしまう。 左サイドからのCKとなる。 CKのキッカーは本田。アウトスイングのクロスをゴール前へ送ると、頭で合わせたのは大迫。 シュートはゴール右ポストの内側に当たってネットを揺らし、勝ち越しに成功する。

CKキッカーの本田

ヘッディングで決勝ゴールを決める大迫

後半44分 モヒカが粘り強いドリブルで左サイドを突破。ファルカオへ預けようとするが、 戻ってきた長谷部にタッチラインの外へ大きくクリアされてしまう 。 後半49分 川島にイエローカード。

後半50分 バッカがペナルティエリア左に抜け出し、右足のアウトサイドでクロスを上げる。 しかし、精度を欠いてそのままゴールラインを割ってしまう。 後半51分 試合終了。2−1で日本が勝利

総括:
数的優位に立つ日本だが、この絶好の状況を生かせず。ブロックの外ではボールを回せるものの、 コロンビアの急所を突くような最後の1本が繰り出せない。こう着した展開の中で、状況を打破したのはセットプレーだった。 途中出場の本田圭佑のCKから大迫勇也が勝ち越し点を奪取。そのまま必死の守備を見せて辛うじて逃げ切った日本。 4年前に屈辱的な敗戦を喫した相手に対して雪辱を果たし、好スタートを切った。

尚、母校は2008年の全国高校サッカー選手権に、大迫選手が在学していた鹿児島城西とともに出場、ともに敗退したため直接対決 の機会は有りませんでした。翌2009年に全国大会で鹿児島城西と対戦して敗れた滝川二の中西隆裕主将が試合後のロッカールームで 号泣しながら「大迫、ハンパないって! あいつハンパないって! 後ろ向きのボール、めっちゃトラップするもん。・・・」 と叫んだことから「半端ない」と言う言葉が、今や「HAMPANAI」という英語とともに大迫を称える言葉として世界的に通用しております。 セネガル戦で、大迫が活躍したら「半端ない」は今年の流行語大賞に輝くことでしょう。

大迫選手を賞賛した中西隆裕さん

2014年12月3日、小惑星探査機「はやぶさ2」を載せたH-IIAロケット26号機が鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、 た。打ち上げから1時間47分後、地球を1周した同ロケットは小惑星探査機「はやぶさ2」を正常に分離しまた。

H-IIAロケット26号機

その後、26号機は無事「はやぶさ2」を切り離し「はやぶさ2」は小惑星「リュウグウ」に向けて飛行を続けております。 「はやぶさ2」は6月21日の時点で、「リュウグウ」まで約76kmの位置まで近づいています。リュウグウとの相対速度は約0.4m/sで、 残り4回の軌道制御を行った後、6月27日前後に「リュウグウ」に到着することになっております。 その「はやぶさ2」から「リュウグウ」の画像が送られてきました。

100kmの位置から「はやぶさ2」が撮影した「リュウグウ」

天体には表層から中心に向かって重力が働いており、その重力による位置エネルギーを最小にするために重力は均等に に働こうとします。そのためには表層から中心までの距離が等しい球状になるしかありません。この理由で、恒星、惑星、 衛星などの天体は球状を呈しております。

しかし、余りにも小さな天体では重力が小さ過ぎて、重力を均等に働かすに足るだけの位置エネルギーが無いため球状化 することなく元の形が保たれます。「リュウグウ」は直径約900mで小さい天体のため、以上の理由で元のコマのような形が保たれております。

「はやぶさ1」は、2003年5月9日 打ち上げた小惑星探査機で、イオンエンジンの実証試験を行いながら2005年夏にアポロ群の小惑星の「イトカワ」 に到達し、その表面を詳しく観測してからサンプル採集を試みた後、2010年6月13日、60億 kmの旅を終えてそのサンプル を地球に送り届けた後に大気圏再突入して壮絶な最期を遂げました。

約100kmの距離から捉えたリュウグウは、コマのような形。こうした特徴は、比較的小さく、 自転が速い小惑星の特徴ですが、リュウグウは直径約900m、自転周期は約7時間半で遅い。 表面にはクレーターや小さな岩の塊のようなものが多数覧られます。

「はやぶさ2」は「リュウグウ」でサンプリングミッションを行い、2019年11月?12月に「リュウグウ」を 離れ採取した岩石を地球へと持ち帰る予定です。

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