−日記帳(N0.1914)2017年01月24日−
日本初の軍事通信衛星 H2A32号機で打ち上げ成功
−日記帳(N0.1915) 2017年01月25日−
「こうのとり」が宇宙デブリを打ち落とす実験実施


2017年1月24日16時44分に種子島宇宙センターから H2A32号機ロケット

ISSに連結されている「こうのとり」6号機


朝鮮半島、中国、ロシア方面から日本に向けて発射されるミサイルは日本にとって大いなる脅威で、特に北朝鮮は既に過去何回も実施しており、最近では2016年9月5日、南西部の黄海北道黄州付近から日本海へ弾道ミサイル3発を発射していることからその対応策が急務となっております。

ただ、日本上空を通過する飛翔体を全て日本に脅威を与えるミサイルと見做すことは出来ませんのでその判別は容易ではないと思われます。そこで、日本は北朝鮮のミサイル攻撃から防衛するために「THAAD」と呼ばれる防衛システムを構築しております。そのシステムに Xバンドレーダーが付属しております。

Xバンドレーダーは1000km先まで届き、発射されたミサイルが核弾頭かどうかまで判別できます。Xバンドレーダーは2006年6月に青森県の車力、2014年12月に京都の与謝半島(丹後半島)の先端、経ヶ岬にそれぞれ設置されております。車力のXバンドレーダーは対ロシア用、経ヶ岬は朝鮮半島全域と旧満州の半分くらまで監視することが出来ます。

しかし、このようなレーダーによる探索より衛星による探索の方が精確で効果的です。そのための衛星「きらめき1号」を2016年7月にアリアン5で打ち上げるべく欧州のギアナ宇宙センターへ輸送中に損傷したため修理が必要となり、打上げは2018年に延期されております。

「きらめき2号」は2017年1月24日16時44分に種子島宇宙センターから H2A32号機ロケットにより打ち上げられ、約30分後に予定の軌道へ投入されました。従来、防衛省は軍事的な探索を民間の衛星に頼っていたため有事や大規模災害の際には容量不足が懸念されておりました。「きらめき2号」の運用が3月に始まれば、防衛省は独自に運用する衛星通信網を構築でき、有事の際にも通信手段が確保できるようになります。

通信環境の大幅な改善も図られ、通信妨害や傍受への安全性が飛躍的に向上。通信の高速・大容量化も実現し、短時間での映像や画像の送受信も可能だ。日本国内で海外の現場の詳細な状況がリアルタイムで把握できるようにもなります。「例えるなら電話回線と光ファイバーの違いだ」(防衛装備庁)と言われます。

防衛省は現行の民間衛星3基を、平成32年度末までに独自衛星に置き換える方針。実現すれば、日本本土を挟んで太平洋からインド洋までをカバーする衛星通信網が構築でき、中国の一方的な行動の抑止を念頭に安倍晋三首相が提唱する「インド太平洋戦略」の推進を後押しすることになります。

ウイキペディアで、 宇宙デブリ は次のように解説されております。

ここで言う「スペースデブリ」には、耐用年数を過ぎ機能を失ったかまたは事故・故障により制御不能となった人工衛星から、衛星などの打上げに使われたロケット本体やその一部の部品、多段ロケットの切り離しなどによって生じた破片、デブリ同士の衝突で生まれた微細デブリ、更には宇宙飛行士が落とした手袋、工具なども含まれます。

旧ソ連がスプートニク1号を打ち上げて以来、世界各国で4,000回を超える打ち上げが行われ、その数倍にも及ぶデブリが発生してきた。多くは大気圏へ再突入し燃え尽きたが、現在もなお4,500トンを越えるものが残されていると言われております。

これらスペースデブリの総数は増加の一途を辿っているうえ、それぞれ異なる軌道を周回しているため、回収及び制御が難しい状態にあり、これらが活動中の人工衛星や有人宇宙船、国際宇宙ステーション(ISS)などに衝突すれば、設備が破壊されたり乗員の生命に危険が及ぶ恐れがあるため国際問題となっております。現にニアミスや微小デブリとの衝突などは頻繁に起こっており、1996年にスペースシャトル・エンデバーのミッション(STS-72)で若田光一宇宙飛行士が回収した日本の宇宙実験室(SFU)には、微細なものを含めると500箇所近い衝突痕が確認されております。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日夜、国際宇宙ステーション(ISS)への無人物資補給機「こうのとり」6号機を「宇宙ごみ」に見立て、7日間の除去実証実験を始め ます。地球の磁場と電流を利用して大気圏に落とすための手順がうまくいくか確かめるのがその目的です。

想定では、宇宙ごみに「テザー」と呼ばれる金属製のひもを取り付けて電気を流すと地球の磁場との作用でブレーキとなる力が発生。すると、地球の引力で高度が下がっていき、大気圏で空気との摩擦で燃えることになっております。

JAXAは同日未明、地上約400kmを飛ぶからISSから6号機を分離。同日午後10時ごろから、あらかじめ収納している約700mのテザーがきちんと伸びるか、実際に電気が流れるか試す。今後はテザーを宇宙ごみに取り付ける衛星を開発し、2025年ごろの実用化を目指すとのことです。

「こうのとり」6号機の大気圏への再突入予定日時 は2017年2月06日(月)午前0時06分頃です。 「こうのとり」6号機は、全長9.8m、直径4.4m、重量10.5トンの円筒形の観光バスが収まる大きさです。 従って、サッカー場ぐらいの大きさのISSに較べて遙かに小さいので地上から目視で確認することはまず出来ません。

「こうのとり」6号機

ISSに取り付けられている「こうのとり」6号機

宇宙デブリの分布想定図

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