−日記帳(N0.1882)2016年11月30日−
日本人発見の113番目元素「ニホニウム」と正式決定
−日記帳(N0.1883) 2016年12月01日−
多治見での窃盗犯による爆発物騒動にから思うこと


113番目の元素を発見した九州大学・森田教授

市販されているアセトン>


物質の基になる元素のうち、日本の理化学研究所のグループが発見した「113番元素」について、化学に関する国際機関は、日本という言葉を取り入れた「ニホニウム」という名前に正式に決定しました。元素に、日本が命名した名前が付けられるのはこれが初めてで、アジアでも初めてのことになります。

物質の基になる元素のうち、九州大学の森田浩介教授を中心とする理化学研究所のグループが、12年前に埼玉県和光市にある大型の実験装置を使って人工的に作り出すことに成功した113番目の元素について、化学に関する国際機関、「国際純正・応用化学連合」は去年12月、正式に元素として認定し、命名権を日本に与えました。

これを受けて、理化学研究所のグループは、名前と元素記号の案をことし3月に国際機関に提出し、国際機関がふさわしいものかどうか審査を行ってきました。その結果、国際機関は「113番元素」の名前を、日本の提案どおり、日本という言葉を取り入れた「ニホニウム」(nihonium)に正式に決定し、日本時間の30日午後5時に、ホームページ上で発表しました。 また、合わせて元素記号も日本の提案どおり「Nh」に正式に決定しました。元素に日本が命名した名前が付けられるのはこれが初めてで、アジアでも初めてのことになります。

今回の決定で、世界中の教科書などに掲載されている、すべての元素を一覧にした周期表に「ニホニウム」の名前が書き加えられることになります。 「ニホニウム」という名前と「Nh」という元素記号は早速、化学に関する国際機関「国際純正・応用化学連合」のホームページにある周期表に書き加えられています。

森田教授「周期表の一席占め光栄」
113番元素を発見し、「ニホニウム」という元素名の名付け親にもなった研究グループの代表を務める九州大学の森田浩介教授は、コメントを発表しました。この中で森田教授は、「われわれの提案した元素名が認められ、正式決定したことを大変うれしく思っております。日本発で、アジアで初めてとなる元素名が、人類の知的財産として将来にわたり継承される周期表の一席を占めることになり、研究グループの代表として大変光栄に思います」と喜びの気持ちを表しました。

また「基礎科学には、発見当時は思いもつかないようなものが、後に多大な恩恵を人類にもたらした例が数多くありますが、日々の生活や産業に即時に直接的な恩恵を与えることはまれです。このような長期的で地道な基礎科学研究を支援して下さった国民の皆様、研究所と関係府省の皆様に改めて感謝いたします」とコメントしています。

「子どもが興味持ち研究者に育つこと期待」

松野文部科学大臣は「国民からの長きにわたる支援と期待への深い感謝の意を込めて提案された『ニホニウム』という名称に決まったことを心から喜ばしく思う。新元素の命名は、欧米以外の国では初めてとなる快挙であり、多くの子どもたちが科学に興味を持ち、世界に羽ばたく次世代の研究者が育つことを期待している」という談話を発表しました。

ほかにも3つの新元素に名前
物質の基になる元素は、原子番号1番の水素から94番のプルトニウムまでが自然界に存在していますが、95番以降は、人工的に作り出されたもので、これまでに118番まで報告されています。 このうち、理化学研究所が作り出した113番元素と115番、117番、118番の合わせて4つの元素については、去年12月、化学に関する国際機関「国際純正・応用化学連合」が、新たな元素として正式に認定し、元素を発見したそれぞれの研究グループに命名権を与えました。

そして国際機関では、それぞれの研究グループから寄せられた名前の案が、元素の名前としてふさわしいものかどうか審査したうえで、30日に113番元素の名前を「ニホニウム」に正式に決定したことを発表するとともに、115番、117番、118番の元素についても、正式な名前を決定したことを発表しました。

115番、117番、118番の3つの新元素は、いずれもロシアとアメリカの共同研究グループが発見したものです。 このうち、115番元素の名前は、共同研究の拠点となったロシアの首都モスクワの地名から「モスコビウム」(moscovium)になりました。

117番元素の名前は、いくつもの研究拠点があるアメリカ・テネシー州の地名から「テネシン」(tennssine)になりました。 また118番元素の名前は、元素の発見で大きな貢献があったロシアの現役の科学者、ユーリ・オガネシアン氏の名前から「オガネソン」(oganesson)になりました。

以上の記事は、11月30日付けのNHK「かぶん」ブログからそのまま転載させて頂きました。

物質の単位である元素は、「電子と原子核」から成り立っていて、さらにその原子核は「陽子と中性子」がいくつか組み合わさってできたものです。 元素の種類は陽子の数で決めています。例えば、陽子の数が6つならば炭素、7つなら窒素、8つなら酸素となります。

しかし、たとえば同じ炭素でも中性子の数によって、いくつかの種類があります。炭素の場合、陽子6つに中性子が6つの炭素12が最も多いですが、中性子の数が7つ、8つの炭素13や炭素14も知られています。これらはどれも「炭素」ではありますが、性質は少しずつ違います。つまり、原子核にある陽子と中性子の数の組み合わせが異なれば、たとえ同じ元素であっても性質も異なったものになるのです。

その陽子と中性子の組み合わせ方には、約1万通りもの種類があると理論的には推定されていますが、実際に天然に安定して存在する原子核は、たったの約300種。そのほかの原子核は、短い間に核分裂や崩壊をおこして、他の原子核に変化してしまうのです。

だから、不安定な原子核を見つけることは難しく、これまでに存在を確認できた2800種の他に、いまだに姿をとらえられていない幻の物質が約7000種もあるといわれています。

周期律表でのニホニウム

1日正午頃、岐阜県多治見市笠原町で、無職の男(37)が7月18日〜19日頃同県土岐市のゴルフ場のクラブハウスに侵入し、金庫から現金約693万円と切手や収入印紙を盗んだ容疑で、岐阜県警の捜査員が同人の自宅を捜査中、白っぽい粉などが詰められたプラスチック製の卵形の容器(直径6〜7cm)2個を発見しました。

この男は容疑を否認したものの「爆発する危険がある。アセトンだ」などと話したたため、県警は公民館から半径200m以内の住民を一時避難させ、爆発物処理班が不審物を回収し成分を分析した結果、爆発の危険性が高く威力の強い過酸化アセトンと分かったと発表しました。 県警が粉末の一部を採取して市内の採石場で加熱処理をしたところ、小規模な爆発が起きておりその威力が立証されております。

アセトンは分子構造が CH3COCH3 で示されます。この中のCOはカルボニル基で不対電子対で結合されているため強い極性を有します。 カルボニル基を持つ有機化合物にケトン類があり、アセトンはケトンの代表的化合物です。

消防法により危険物第四類(第一石油類 危険等級2 水溶性)に指定されているため指定数量以上の貯蔵には消防署への届出が必要で、指定数量以上の取り扱いには危険物取扱者乙四類か、甲種免許所持者でなければならないとされておりますが個人でマニキュアの除光液やシンナーとして使用する場合は届け出の必要は有りません。

このアセトンを過酸化すれば、問題の過酸化アセトンが得られます。過酸化アセトンは素人でもアセトンを過酸化水素と硫酸で処理すれば容易に作るることができます。そのため、これまでもテロ犯に悪用さており、その代表例が2005年のロンドン同時多発テロです。

容疑者は「インターネットを見て作った」と供述。これまでの調べで、背景に政治や思想などといった関連をうかがわせるものはないようです。 1日午前11時半ごろ容疑者の自宅を家宅捜索した際、白い粉状のものが入った卵形の高さ約7cm、幅約6cmの透明プラスチック容器2個を発見。容疑者が「アセトンで爆発の危険がある」と話したため、付近の住民が一時避難する騒ぎとなりました。

過酸化アセトン

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