−日記帳(N0.1821)2016年07月05日−
火星の衛星の起源を東工大が解明
−日記帳(N0.1822) 2016年07月06日−
米・木星探査機「ジュノー」木星周回軌道に投入成功


巨大な天体が火星に衝突した際のイメージ図(約40億年前)

米・木星探査機「ジュノー」


火星にも、地球の衛星である月に相当する衛星が存在しております。 それが、フォボス ダイモスです。

これらの衛星の形は歪で、地球や月のように球状ではありません。
天体ではその中心に向けて、どの位置からでも均一になるように重力が働いております。最初は歪でも、均一にしようとする重力により凸凹はならされて平面に近づく 結果、球体になっていきます。ダイモスやフォボスのように小さい天体では、均一にしようとするほど重力は大きくないため、歪んだままになっております。

ダイモスとフォボスの起源には、小惑星が火星の重力に引っ張られて衛星になったとする「捕獲説」と、地球を回る月の起源として有力視されている「巨大衝突説」の二つがあり、詳細な分析は進んでおりませんのでした。そんな折、 火星の二つの衛星は、約40億年前に巨大天体が火星に衝突したことで生まれたとする研究結果が東京工業大などの国際共同研究チームによって発表され4日付の英科学誌ネイチャージオサイエンス電子版に掲載されました。

東工大地球生命研究所の玄田英典・特任准教授(惑星科学)らは、火星の北半球に巨大なクレーターがあることに着目。約40年前に、火星の半径の1/3ほどの巨大天体が火星に衝突したと仮定し、その後の破片の動きを分析したました。

その結果、衝突直後は重さがフォボスの1000倍となる巨大衛星が生まれたが、周辺の破片は巨大衛星の重力で大きく二つに集約されることを確認したとのことです。 最初の巨大衛星はその後、火星に落下してなくなり、二つの衛星が残ったと考えられ、条件を変えて300通りの計算をしても 、約30%の確率で同じ結果が得られたとしております。

火星の衛星 ダイモス

火星の衛星 フォボス

NASAは7月4日、木星探査機「ジュノー」が日本時間5日午前0時53分に木星上空に到達し、エンジを35分間逆噴射して、観測に必要な周回軌道への投入に成功したと発表しました。木星の軌道投入成功は、NASAの「ガリレオ」以来21年ぶりで、「ジュノー」は1年8か月かけて木星を37周して、大気や磁場、重力などを詳しく調べ、太陽系誕生の謎に迫ることになっております。

ジュノーは2011年8月5日、アトラスVロケットで打ち上げられ、2013年10月9日、地球表面から558kmまで接近し、重力アシストで時速12万6000kmから時速14万kmに加速されましたが、最接近10分後に何らかの故障を検知してセーフモードになり、10月11日までこの状態が続きましたが軌道の変更自体は成功し木星へ向かう軌道に乗り、 約5年で日本時間2016年7月5日、木星を周回する軌道に入ったわけです。

木星は太陽系で最大の惑星で、最初にできた惑星とされております。その内部の構造や形成の歴史の解明は、太陽系の理解につながると期待されております。木星は主に水素やヘリウムなどのガスでできているが、内部に固体の「核」があるかどうかなど詳しい構造はわかっておりません。

下の画像は、ジュノーに搭載されている「JunoCam」と呼ばれるカメラで撮影された地球と月の姿です。こお時点で、ジュノーは地球から約966万kmの距離に在りました。地球から月までの距離を進むのに1日とかからないジュノーが、木星にたどりつくまでには28億kmを5年かけて旅しなければならないほどに、木星は遠い彼方に在ります。

木星探査機「ジュノー」が捉えた地球と月

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