−日記帳(N0.1723)2015年11月17日−
すばる望遠鏡で太陽系最遠の天体を発見
−日記帳(N0.1724) 2015年11月24日−
初の商業衛星H2A-29号機打上げ成功


太陽系最遠の天体準惑星「V774104」の想定画

打上げられたH2A-29号機


天文学者チームが、米ハワイ州にある日本の口径約8mの「すばる望遠鏡」を用いて、
冥王星より3倍遠い距離にある謎の準惑星「V774104」を発見しました。 この天体は太陽系内で最も遠方にあると見られており、太陽から154億km(97AU)の距離で、直径は500〜1000qと推測されております。

国際天文学連合(IAU) によると、太陽系内において惑星は以下を満たす天体です。
この定義によれば、現在太陽系には8つの惑星と6つの準惑星が知られております。

1.太陽の周りの軌道上にある
2.静水圧平衡にあると推定するのに十分な質量を持つ(ほぼ球形である)
3.近隣の他の天体を一掃している

冥王星は9番目の惑星とされておりましたが、2006年に上記3.の条件を満たしてないとの理由で準惑星に降格されました。 6つの準惑星は、冥王星、エリス、ケレス、マケマク、ハウメアそして今回発見された「V774104」です。

これらの準衛星は、直径が約1,000kmから2,500kmまでの球体で、日本学術会議は2007年4月9日の対外報告(第一報告)で「冥王星型天体」との呼称を推奨しましたが 2008年6月11日にIAUの執行委員会が開かれ「plutoid」を正式名称とすることが決定されました。

「V774104」は冥王星より3倍遠い距離にある上、冥王星より小さいため、世界最高クラスの「すばる望遠鏡」を用いても球として捉えることは出来ず、下の黄色の矢印に示す点とでしか捉えることは出来ません。


H2Aロケット29号機 は打ち上げ直前(打ち上げ16分前)に、警戒監視区域内で船舶が確認されたためカウントダウンを中断、その後安全が確認されたため、打ち上げ 15分前からのカウントダウンを再開し打ち上げ時刻を2015年11月24日15時50分00秒に変更し予定通りの時間に正常に打ち上げられました。

打上げ後約 4時間27分後の、2015年11月24日20時17分、通信放送衛星 Telstar 12 VANTAGE (テルスター12 バンテージ)を分離、予定の軌道に投入し、H2Aロケット 29号機 の打ち上げは成功しました。

気象衛星や通信衛星に用いられる「静止軌道」は赤道上から約36,000q先にあります。人工衛星は静止軌道に入る前に、打ち上げロケットによって「静止トランスファー軌道(GTO)」という途中の楕円軌道に投入されます。

今まではGTOに投入後、衛星は燃料を使って静止軌道まで飛行していましたが、長時間飛行しエンジン着火できるように改良することで、衛星を静止軌道により近い軌道に投入することができるようになりました。その結果、燃料が節約でき、その重量分を観測センサの大型化につなげたり、衛星寿命向上のための燃料にあてることが期待されます。


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