−日記帳(N0.1707)2015年10月21日− |
静岡のサッカー弱体化を嘆く |
−日記帳(N0.1708) 2015年10月24日− |
清水エスパルスのJ2降格に思うこと |
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高校サッカーの聖地 藤枝東高グラウンド |
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清水エスパルスのホームグランド 日本平スタジアム |
かって静岡は高校サッカーで、埼玉とともにサッカー王国として全国に君臨しておりました。しかし、2008年に藤枝東が全国大会で準優勝して以来、全国大会に出場しても ベスト8にも行けない状態が続き、プロサッカーでもジュビロ磐田が昨年、J2に降格し今年も昨日の敗戦で清水エスパルスのJ2降格が決定するなど低迷が続いております。 高校では、静岡、埼玉以外に千葉、福岡、大阪、青森などで強豪校が相次いで誕生して群雄割拠の時代となり、プロでは広島、仙台、横浜、茨城等が台頭し、埼玉は以前同様に強さを発揮しているので静岡の脱落が目立つようになりました。その理由は、いい選手と監督を集められなくなったことに尽きると思います。 かって、藤枝東全盛時代を築いた長池実さん、静岡学園を静岡県有数の強豪校に育て上げた井田勝通さん、サッカーの殿堂入りした山口芳忠さんのような名監督がその後現れていないことが如実に物語っております。 |
前日の仙台戦に0-1で敗れ、4連敗を喫し最下位のまま勝ち点を上積みできず、年間15位の新潟が勝ったため、3試合を残して、クラブ史上初のJ2降格が決まった清水エスパルスは18日、公式サイトを更新し、今季3度目となる以下の謝罪文を掲載しました。 「これまでJリーグ創設時のオリジナル10と言われるクラブの中でも唯一の市民クラブとして、23年間J1の舞台で戦って参りました。その伝統と歴史あるクラブを降格させてしまうこととなり、常日頃からクラブを支えていただいているファン・サポーター、スポンサー、株主の皆様に対しまして、強く責任を感じるとともに、深くお詫び申し上げます」 これでJリーグ創設から参戦する「オリジナル10」のうち、J2降格経験がないのは鹿島、横浜M(現横浜FM)、名古屋の3クラブのみとなりました。 昨年7月、アフシン・ゴトビ元監督を解任し、大榎克己前監督が就任。降格圏と勝ち点1差の15位で何とか残留を果たしたものの、今オフに効果的な補強はなくシーズン序盤から厳しい戦いが続き今年8月に大榎前監督が辞任して田坂和昭監督が就任しましたが就任後9試合勝ちなし(3分6敗)で1勝も挙げられぬまま降格が決まったわけです。 清水エスパルスのJ2降格は現在の戦力からして当然のことで、ここまで放任してきたクラブの責任は免れません。破綻は2010年に就任した長谷川健太監督(現ガンバ大阪監督)の時に既に始まっておりました。 元日本代表のMF伊東輝悦(現AC長野パルセイロ/J3)とMF市川大祐(現FC今治/四国リーグ)に契約を結ばないとの突然の通達がクラブ功労者への配慮を欠く行為だと、選手たちが激怒し、選手とクラブとの間に一気に亀裂が走りました。 これが、クラブ転落への「第1章」となり、以前からくすぶっていた選手側のクラブへの不信感が顕在化し、事態を収拾できないまま2010年シーズンは終了しました。そして、日本代表FW岡崎慎司(現レスター/イングランド)ら主力選手を大量に放出し、チームの戦力は大幅にダウンしてしまいました。 その翌シーズン、アフシン・ゴトビ監督が指揮官に就任しました。ここから、転落への「第2章」が始まりました。ゴトビ監督は、FW高原直泰(現SC相模原/J3)、MF小野伸二(現コンサドーレ札幌/J2)、MF小林大悟(現ニューイングランド・レボリューション/アメリカ)ら経験豊富な実力者を徐々に控えに回し、若手中心へとシフトした結果、 それまでの、テンポよくボールが動く”静岡らしい”サッカーが影を潜め、攻撃力が低下。勝ち切る試合が激減し、6年ぶりにふた桁順位(10位)という屈辱を味わいました。 |
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やや独裁的な面が見られたゴトビ監督の体制下では、就任当初から不穏な空気が立ち込めていた。選手からも早々に不満の声が漏れ、またも多くの主力選手が流出。2012年までに、高原、小野、小林に加えて、DF岩下敬輔(現ガンバ)、MF枝村匠馬(※)らクラブ生え抜きの主力選手まで、次々にチームを去っていきました。 そうした流れを、フロントの強化担当も食い止めることができず、十分な補強もできないまま、チームは迷走を繰り返した。その結果、2012年、2013年シーズンはなんとか9位という順位を保ったものの、2014年シーズンはついに序盤から低迷。シーズン途中からゴトビ監督を解任し、クラブOBの大榎克己監督が就任するも、乏しい戦力では加速する悪い流れを止める術もなく、15位で残留するのが精一杯でした。 そして迎えた今季、「相手に脅威を与える攻撃を見せる」(左伴社長)と、数億円の資金を投じて元ナイジェリア代表のFWピーター・ウタカと、MFミッチェル・デューク(オーストラリア)ら助っ人を獲得しましたが、もはや付け焼刃的な補強ではどうにもならずファーストステージは最下位。セカンドステージに入ってからも、浮上するきっかけさえつかめず力尽き、今日の敗戦に至りました。 降格が決まった後でも駆け付けてくれたサポーターに、勝利を届けたい清水。序盤こそアグレッシブな姿勢を見せましたが、徐々にセカンドボールへの寄せが速い柏に主導権を握られ、前半38分に大津のゴールで先制を許してしまいました。 後半も立ち上がりは攻勢を掛けましたが、得点を奪えずに時間が経過すると、相手のボール回しに翻弄される展開に。何本もパスをつながれる中、後半17分に追加点を決められて窮地に立たされ、その後は3人の選手交代を行うも流れは変えられず、同41分には3点目を許し、5連敗となってしまいました。 |
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