GROVEのロシア旅行(1日〜4日)
GROVEのロシア旅行(5日〜8日)


阪急交通社の「大国栄華への招待状 ロシア9日間の旅」パンフレット

モスクワのクレムリン宮殿


12月11日から「大国栄華への招待状 ロシア9日間の旅」に今回も1人で参加してきました。参加者は36名で女性の1人参加が12名、男性の1人参加が4名。今までの旅行と比べると1人参加が多く、クラブツーリズムの旅にしては年齢層が若く、60歳以下の方が数名はいました。成田10時45分発のJAL直行便で約10時間かけてモスクワに到着したのは15時。飛行機内では寝る必要もなかったので、4本の映画鑑賞をして着後すぐにホテルでゆっくりすることができました。心配していた寒さはマイナス8度であり想定内で、雪は道路にはなく、歩道にはところどころに残っている程度でした。

 2日目は、モスクワから空路でサンクトペテルスブルグに行き、まずはレストランでボルシチとピロシキの昼食。ピロシキは揚げるものと思っていましたが、こちらでは焼くほうがポピュラーとのことでした。ボルシチは中心食材のビーツに健康効果があるので興味津々の料理です。サワークリームを入れて食べるのもおいしい。ガイドさんにスーパーにボルシチの素(マギー)のレトルトがあると教えてもらい、お土産用に10パック買いました。家に帰ってから、早速作りましたが、ビーツが手に入らなくても、肉とキャベツとジャガイモを入れてボルシチの素を入れればボルシチと呼べる料理ができました。サワークリームは水切りヨーグルトでも可です。

ボルシチ

ピロシキ

サンクトペテルスブルグはかつての帝政ロシアの首都で、レニングラードから名前が変更になりました。皇帝や貴族の豪奢な宮殿が建ち並び、ヨーロッパでも最も美しい町の一つというコピーどおり、美しさは驚くばかり。凍ったネヴァ川のほとりに建つエルミタージュ美術館の壮大さにも歓声をあげました。この日は青銅の騎士像(エカテリーナ2世が建てたピョートル大帝の像)で写真を撮ってから、血の上の教会(1907年完成、純ロシア正教会、豪華なモザイク)と聖イサク寺院(金色の丸屋根があり、48本の円柱が立派)の入場観光のみ。血の上の教会のカラフルな外観にも驚きましたが、内部も絵がびっしりで豪華。カトリック教会との違いは、ロシア正教会には椅子やステンドグラスがありませんでした。

聖イサク寺院

青銅の騎士像

血の上の教会

 3日目は、このツァーの目玉である、「エルミタージュ美術館たっぷり6時間の見学」です。外装の緑白色もきれいでしたが、内装の豪華さは目をみはるばかり。皇帝の冬宮として使われていた宮殿で、収蔵美術品の数は300万点、世界3大美術館の一つにはいっています。入場してすぐの大使の階段(ヨルダン階段)の白と金と赤のゴージャスさから驚嘆の連続で、各室内にかかげられているシャンデリアや調度品も超豪華なものでした。

エルミタージュ美術館

大使の階段

印象に残ったのは、エカテリーナ2世の愛人のポチョムキンがプレゼントしたという「孔雀の時計」。18世紀後半にイギリスで作られたカラクリ時計で、動きはビデオで見るだけでしたが、今でも動くとのこと。そして、館内の見学は日本語ガイドのマリアさんが午前中は見どころを案内してくれて、昼食はカフェで自由にとり、15時にカフェに集合でした。絵画はダヴィンチの「ベヌアのマドンナ」「リッタの聖母」の2点があり、これはとても貴重なこととのことです。

ベヌアのマドンナ

リッタの聖母

ティツィアーノの描いた「ダナエ」とレンブラントの描いた「ダナエ」の比較も興味深く、それらの名画が華麗な室内に掲げられていることも素敵でした。ガラスに入っているのでうまく写真は撮れませんでしたが、フラッシュをしなければ写真は自由です。カフェでサンドイッチとコーヒーの昼食を摂ってから、自由時間はどこをどう歩いたかよくわかりませんが、古代ローマの彫刻、古代エジプト美術、日本の陶器や漆器も見学しました。エルミタージュにはネズミ捕りのために猫が今でも保護されていて、猫の絵もありましたが、これらの財宝の中に猫が迷い込んだらと考えるとすごいです。

ティツィアーノの「ダナエ」

レンブラントの「ダナエ」

集合してから真向かいにある黄白色の建物であるエルミタージュの新館にいきました。外観はきれいですが、内装はすっきりしすぎという感じ。こちらは近代美術のコレクションで、印象派の作品やマティスやピカソの作品もありました。マティスの「ダンス」「音楽」は記念碑的な大作とのこと。全然混雑がなく名画を鑑賞できたことは良かったです。この日はレストランでビーフストロガノフの夕食。歯が悪い人用にこま切れ肉を使った料理ですが、エルミタージュ美術館の肖像画の部屋にあったパーヴェル・ストロガノフが、素晴らしいイケメンでした。

 4日目は、絢爛豪華な55の続き部屋をもつエカテリーナ宮殿の見学です。ピョートル大帝の妃、エカテリーナ1世のために建設され、エカテリーナ2世の時代に改装された夏宮で、雪道を歩いて靴カバーを履いて入場しました。戦争と平和のドラマの舞踏会で使われた金ぴかの大広間の実物を見ることができて大感激。井上靖の小説「おろしや国酔夢譚」で知られる大黒屋光太夫がエカテリーナ2世に謁見し、帰国の許可を得たというのもこの広間でした。

エカテリーナ宮殿・夏宮

エカテリーナ宮殿・大広間

琥珀の間

当時の衣装が飾ってあったり、食卓に食器がセットしてあったりとどれもため息が出るような豪奢な暮らしぶりで、まさにツァー名の「大国栄華」に圧倒された感じです。豪華な回廊をぬけて、有名な琥珀の間ですが、ここだけは写真の撮影は禁止。第2次大戦中にドイツ軍に琥珀は全て持ち去られ、1979年から24年かけて復元したとのこと。復元したこともすごい!!ここはものすごく混雑する場所なので、冬の観光がお勧めだそうです。昼食後にネフスキー大通りで自由時間の散策。カザン聖堂の向かい側にあるスタバで世界一可愛いと人気のマトリョーシカの図柄のタンブラーを購入。お土産店でマトリョーシカを買おうと思いましたが、意外と高価なものが多かったので、35ルーブルのタンブラーだけでよいことにしました。魚料理(タラのハンバーグ)の夕食後は、ミハイロフスキー劇場でバレエ「眠れる森の美女」の鑑賞。優雅な時間を過ごしました。

カザン聖堂

ネフスキー大通り

ミハイロフスキー劇場

5日目は朝7時発の国内線でモスクワにもどり、バスで「黄金の環」の観光へ。昼食に鶏肉にバターを包んで揚げたカツの「キエフ風カツレツ」を食べてからセルギエフ・ポサート観光で、城壁で囲まれたセルギエフ大修道院の見学。ここは写真撮影に100ルーブルのチケットが必要でしたが、マグネットのおまけがついていました。内部だけ写真禁止になっていたトロイツキー聖堂を見学して、水色のきれいな鐘楼、玉ねぎ型の青屋根に星をつけたウスペンスキー聖堂など、遊園地のようなきれいな建物です。聖水の泉が湧き出ている建物があり、ペットボトルに水を入れて帰る人もいました。約3時間半かけてバスでスズダリに行き、家庭料理(ハンバーグ)の夕食を食べてから、宿泊となりました。

セルギエフ大修道院

トロイツキー聖堂

ウスペンスキー聖堂

6日目はスズダリ観光。やっと明るくなった9時半出発で素晴らしい晴天に喜んだものの、マイナス23度の寒さ!外に出たとたんに咳き込みました。雪景色で歩道も雪道でした。まずガイドさんが素敵なものがみえると言って連れていってくれたのが、蛇行した川の向こうの遠望。いくつもの教会がある美しい田舎で、平和なおとぎの国のような雰囲気でした。クレムリンというのは城壁という意味で、スズダリのクレムリンと、観光客は私たちだけだったスパソ・エフフィミエフ修道院を見学し、その後、バスで約1時間ゆられ、ウラジーミルに移動しました。/td>

スパソ・エフフィミエフ修道院

ウラジーミルってプーチンの名前ですね。モンゴルに占領されていたという歴史もある田舎の町でした。昼食はジャルコーエというつぼ焼きで、パンで蓋がしてあります。中身は野菜と肉を煮込んだ肉じゃが風で、旅行中の全食事の中で一番評判が良いものでした。昼食後は、町の象徴的存在だという黄金の門(黄金色の丸屋根はありましたが白亜の建物)で写真を撮り、ウスペンスキー大聖堂へ。生神女就寝大聖堂といわれ、マリヤ様の永眠を記念する正教会だそうです。正教会はイエス様を生んだマリヤ様があがめられているような感じです。 雪の中に建つ金色の玉ねぎ型の屋根に石灰石で作られた白い建物はとても美しく見えました。観光後約4時間かけてモスクワにもどり、ロールキャベツの夕食を食べて都会のホテルに宿泊となりました。

7日目は、モスクワ観光で、まずはプーシキン美術館に行き、印象派の絵画が多く展示されているコーナーを鑑賞しました。ルノワール作の「女優ジーンサマリーの肖像」はつい最近日本にきていた絵画です。ゴッホの「赤い葡萄畑」など素晴らしいコレクションを混雑なしで見ることができました。道路を隔てて向かいにあるのが、白亜の救世主キリスト聖堂で、2000年に完成した巨大な建築物。内部は1万人が収容できるそうです。礼拝に来ている信者も多く、荘厳な雰囲気。観光後、バスに乗って史跡公園になっているコローメンスコエに行きました。

プーシキン美術館

ルノワール作の「女優ジーンサマリーの肖像」

ゴッホの「赤い葡萄畑」

雪が積もっている公園で、転ばないように注意しながら歩きました。いつまで歩くんだろうと心配になった頃にガイドさんが「門を抜けたらわぁ〜!て歓声あげますよ。」というとおり、白亜のヴォズネセニエ教会(主の昇天教会)をみて皆で歓声をあげました。丸屋根ではなく八角形の尖塔で、まるでロケットのようでしたが美しかったです。ロシア風水餃子の昼食をたべて、赤の広場の観光。16時にはもう夜となって、グム百貨店はイルミネーションが瞬き、聖ワシリー寺院はライトアップされていました。

ヴォズネセニエ教会

グム百貨店

血の上の教会

血の上の教会も色とりどりでかわいい外観でしたが、聖ワシリー寺院はさらに華やかでかわいい。まるでおとぎの国の建物のようでした。ダム百貨店で1時間半の自由時間となり、食品売り場も見て回りましたが、スーパーと価格があまりに違うので何も買いませんでした。百貨店はクリスマスの飾り付けがしてあって、外も内もツリーだらけ。冬でもアイスクリームは人気でした。広い広場を国立歴史博物館のほうまで歩いていくと、ルミナリエのようにイルミネーションをしている通りがあり、巨大なツリーもあってとてもにぎやかでした。夕食にサーモン料理を食べて、連泊しているホテルにもどりました。

聖ワシリー寺院

8日目は観光の最終日で、クレムリンの入場観光に行きました。広大な敷地内には、クレムリン大会宮殿やロシア連邦大統領府の巨大な建造物があり、聖堂広場にはウスペンスキー大聖堂をはじめとして、同じような白い聖堂が4つもありました。一度も発砲されなかった40トンもある「大砲の皇帝」や一部が欠けてしまった200トンの世界最大の巨大な鐘「鐘の皇帝」もうそみたいだけど真面目らしい代物でした。

次はいよいよ楽しみにしていた武器庫とダイヤモンド庫の見学ですが、ここの写真撮影は禁止。武器庫は武器というよりも王冠や王笏、金銀の食器、2m以上の背の高さだったピョートル大帝の服やブーツ、エカテリーナ2世の戴冠式のドレス(ウエストの細さにびっくり!)、豪華な宮廷馬車とぎっしり展示してありました。その隣がダイヤモンド庫で、エカテリーナ2世に愛人が贈った世界一大きなダイヤモンド「呪いのダイヤ オルロフ」をはじめとして、ネックレス等の宝石類、金やプラチナの塊がありました。

武器庫

ダイヤモンド庫

孔雀時計、金ぴか馬車、ダイヤなど、呆れるほど贅沢なものは、それぞれ愛人からのプレゼント品です。エカテリーナ2世はドイツの片田舎の貴族出身ですがピョートル3世と結婚。愛のない結婚でクーデターを起こして女帝の座に就き、夫は退位してその数日後に死亡。女帝は美男子好みで愛人は10人とも21人ともいわれていたそうです。検索したらベルバラの池田理代子が漫画を出し、YouTubeにキャサリンゼタジョーンズ主演のテレビドラマがありました。かなり過激な人生だったようです。観光は全て終わり、空港に向かい、モスクワ発17時のJALで所要時間約9時間で日本に戻りました。

 今回の旅行では、ホテルにペットボトルの水が置いてあり、食事の時も昼夕ともペットボトルの水がついて、その上デザートとコーヒーか紅茶がつきました。お酒類は全然注文しなかったので、ルーブルに換金したのは1万円だけでしたが充分足りました。冬で旅行費が15万円の安さだったので申し込んだツァーでしたが、建物内やバス中は暖かく、吹雪や強風はなかったので、むしろクリスマスのイルミネーションや大きなツリーをたくさんみることができてラッキーでした。写真整理をしていて、毎日違う洋服にしていたのに、同じダウンコートだったので同じ服装ばかりの写真になってしまいました。朝も夕食後も時間に余裕があり、一人参加の女子たちで仲良くできたので、楽しい旅行ができました。

ピョートル3世

エカテリーナ2世